置き畳は高齢者のいる家に向く?転倒予防・滑り止め・敷き方の注意点

置き畳は高齢者のいる家に向く?転倒予防・滑り止め・敷き方の注意点

年を重ねると、家の中で安全に、快適に過ごせるかどうかが、毎日の暮らしの質そのものに関わってきます。人生100年時代といわれる今、親が高齢になって一緒に暮らし始めたり、実家を訪れる機会が増えたりする中で、「親が安心して過ごせる環境をつくってあげたい」と考えるご家族も多いのではないでしょうか。そんなときに注目されているのが、フローリングの上に置くだけで使える置き畳です。本記事では、岐阜県の畳メーカー・国枝が、高齢のご家族がいるご家庭で畳が選ばれる理由と、置き畳を安全に敷くための注意点をご紹介します。

この記事のポイント

  • 高齢者の転倒事故は、住み慣れた自宅の中でも多く起きています。
  • 畳は滑りにくく、適度な弾力で転んだときの衝撃をやわらげ、断熱性で足元も冷えにくい床材です。
  • 国枝の置き畳は裏面に防滑シートが付いていて、フローリングの上でも滑りにくいつくりです。
  • 敷くときは、畳どうしや壁際のすき間と、置き畳の端にできる段差に気をつけると安心です。

高齢者の転倒はどこで起きやすい?自宅に潜む転倒のきっかけ

高齢者の転倒事故は、住み慣れた自宅の中でも多く起きています。ベッドや布団まわりなど毎日使う場所で、「滑る」「つまずく」「引っ掛かる」といったことが転倒のきっかけになります。

高齢の方にとって、家の中での転倒は、その後の暮らしに大きな影響を与えかねない出来事です。消費者庁の注意喚起によると、高齢者の転倒事故の約半数は住み慣れた自宅で起きています。発生場所としては、浴室・脱衣所や玄関、階段のほか、ベッドや布団まわりも挙げられています。転倒によって脚や足を骨折し、入院が必要になるケースも少なくありません。

転倒のきっかけとして多いのは、「滑る」「つまずく」「ぐらつく」「引っ掛かる」といった、日常のちょっとした動きの中で起こることです。寝起きのときや、夜間にトイレへ向かうときなど、毎日くり返す動作の中に危険が潜んでいます。

だからこそ、高齢のご家族が毎日長い時間を過ごすお部屋の床を見直すことは、転倒への備えのひとつになります。

参考:高齢者の転倒事故に注意しましょう(消費者庁)

高齢者のいる家に畳が選ばれる理由は?

畳は、滑りにくく転んだときの衝撃をやわらげる安全性、適度な弾力によるやわらかな歩き心地、足元が冷えにくい断熱性を備えた床材です。天然イ草表なら、イ草の香りや湿度調節も楽しめます。

選ばれる理由 畳の特長 こんなお悩みに
転倒への備え 滑りにくく、転んだときの衝撃をやわらげる フローリングで足が滑る、転倒が心配
歩き心地 適度な弾力があり、足当たりがやわらかい 硬い床の上を歩くのがつらい
温かさ 空気の層が熱を伝えにくく、足元が冷えにくい 冬のフローリングの冷たさが気になる
心地よさ イ草の香りと、なじみのある畳の感触 落ち着ける居場所をつくりたい

フローリングに潜む転倒のリスク

フローリングの床には、転倒につながるリスクがいくつかあります。

滑りやすさ

靴下や室内履きで歩くと、フローリングは滑りやすく、転倒のリスクが高まります。

段差への引っかかり

フローリング材の継ぎ目や浮きが足に引っかかり、転倒につながることがあります。また、異なる床材のエリアをつなぐ場所では、高さの違いが生じることもあります。

畳は滑りにくく、転んだときの衝撃をやわらげる

一方、畳は転倒への備えに向いた床材です。織物である畳表は表面が滑りにくく、適度な弾力があるため、万が一転んでしまったときも、その衝撃を畳が受け止めてやわらげてくれます。畳の安全性については、置き畳のメリットとは?でも詳しくご紹介しています。

適度な弾力で、毎日の歩き心地がやわらか

加齢とともに、足腰の筋力は少しずつ低下していきます。フローリングのような硬い床と比べて、畳には適度な弾力があり、足を下ろしたときの当たりがやわらかく感じられます。畳の上なら、床に直接座ったり、ごろりと横になったりしてくつろぐこともできます。

断熱性で、冬の足元が冷えにくい

冬場は、フローリングの冷たさが気になるという方も多いでしょう。畳は、畳表と芯材の中に空気の層を含むため熱を伝えにくく、断熱性に優れています。冷たいフローリングの上に置き畳を敷くだけで足元の冷えがやわらぎ、スリッパを履かずに素足でも心地よく過ごせます。

また、天然イ草表の畳には湿度を調節する働きがあります。蒸し暑い夏も、畳の上ならさらりと過ごしやすく、一年を通じて快適な環境をつくれます。

イ草の香りと、なじみのある畳の落ち着き

日本の伝統的な床材である畳に触れて、懐かしさや落ち着きを感じる方も多いのではないでしょうか。天然イ草表の置き畳なら、イ草ならではのやさしい香りも楽しめます。

高齢期には、毎日を過ごすお部屋の居心地が、そのまま暮らしの満足感につながります。畳がもたらす落ち着きと安心感は、日々の暮らしを豊かにしてくれる要素のひとつです。

置き畳はフローリングの上で滑らない?裏面の滑り止めと構造

国枝の置き畳は、裏面に防滑シート(滑り止めのシート)が付いているため、フローリングの上に置いても滑りにくいつくりです。金属を使っていないので、フローリングを傷つけにくいのも特長です。

畳の表面が滑りにくくても、畳そのものが床の上でずれてしまっては安心できません。国枝の置き畳は、畳表、クッション材、芯材、そして裏面の防滑シートを重ねたつくりになっています。裏面の防滑シートがフローリングとの間で滑りを抑えるため、高齢のご家族が歩くお部屋にも取り入れやすい置き畳です。

また、置き畳には金属を使っていないため、フローリングを傷つけにくいのもうれしいポイントです。工事をせずに置くだけで使えるので、お部屋の使い方が変わったときには、敷く場所を見直すこともできます。

置き畳の裏面についている滑り止めの防滑シート

置き畳を敷くときの注意点は?すき間と段差に気をつける

置き畳を安全に使うには、畳どうしや壁際のすき間と、置き畳の端にできる段差に気をつけることが大切です。敷きたいスペースに合わせて畳を選び、人がよく通る場所の置き方を工夫しましょう。

高齢の方の転倒防止において、実は見落とされがちなのが、すき間と段差です。せっかく畳を敷いても、小さなすき間や段差が足に引っかかってしまっては、転倒のきっかけになりかねません。

畳どうしや壁際のすき間

扉の縁までぴったり収まるように敷いた置き畳

既製サイズの置き畳を並べたときや、異なる床材のエリアとつなぐときには、畳どうしの間や壁際にすき間や段差が生じることが珍しくありません。この小さなすき間や段差が、すり足ぎみに歩く高齢の方の足や、杖の先に引っかかり、転倒につながることがあります。

複数枚の置き畳を並べるときは、畳どうしの継ぎ目(辻:畳の角が集まる部分)がきちんとそろっていると、足を引っかけにくくなります。敷きたいスペースの寸法をあらかじめ測り、すき間ができにくい枚数とサイズを選ぶことが大切です。

置き畳の端にできる段差

置き畳は、フローリングの上に置いて使う畳です。国枝の置き畳の厚みは標準15mm(縁付きは縁部分で18mm)のため、お部屋の一部分に敷く場合は、置き畳の端に厚みの分だけ段差ができます。

高齢の方が毎日通るドアからベッドまでの動線や、夜間にトイレへ向かう通り道を、置き畳の端が横切らないように配置すると安心です。杖や歩行器、車いすを使われる方がいる場合や、段差を調整したい場合は、お部屋の状況をお知らせください。厚みのご相談も含めて、お問い合わせから承ります。

毎日のお手入れで、清潔に気持ちよく

置き畳を長く気持ちよく使うためには、日ごろのお手入れも欠かせません。素材ごとのお手入れ方法はお手入れ方法のページでご紹介しています。樹脂表の置き畳なら、水拭きや中性洗剤で汚れを落とせるので、お掃除の手間を減らしたいご家庭にも向いています。

高齢の方にとって、こうした細部の安全性や清潔さへの気配りが、日常生活の快適さと安心につながります。

高齢の親にとって理想的な床とは?

高齢の方にとって理想的な床材は、「滑りにくく、クッション性があり、温かい」という3つの条件を満たすものです。置き畳は、この3つの条件に応えやすい床材です。

滑りにくい

表面が滑りにくい畳表と、裏面の防滑シートで、畳の上でも床の上でも滑りを抑えます。

クッション性がある

適度な弾力で足当たりがやわらかく、万が一転んだときの衝撃もやわらげます。

温かい

空気の層を含む構造で熱を伝えにくく、冬でも足元が冷えにくくなります。

色や素材の異なるさまざまな置き畳

親が年を重ねるとともに、自宅での環境づくりはより大切になってきます。安全性、快適性、そして心の落ち着き。これらが整った環境であれば、親自身も安心して暮らしを続けられますし、離れて暮らすご家族の心配も軽くなります。

畳は、「住み慣れた家で、できるだけ長く快適に過ごしたい」という親の思いと、「安心して暮らしてほしい」というご家族の思いの両方に応える選択肢です。素材や縁付き・縁無しの違いは、置き畳の種類と選び方で詳しく解説しています。

高齢者と置き畳に関するよくある質問

Q. 高齢の親の部屋に置き畳は向いていますか?

A. はい。畳は表面が滑りにくく、適度な弾力で転んだときの衝撃をやわらげてくれます。断熱性もあるため、冬でも足元が冷えにくく、素足で心地よく過ごせます。

Q. 置き畳はフローリングの上で滑りませんか?

A. 国枝の置き畳は、裏面に防滑シートが付いているため、フローリングの上でも滑りにくいつくりです。金属を使っていないので、フローリングを傷つけにくいのも特長です。

Q. 置き畳を敷くと段差はできますか?

A. 国枝の置き畳の厚みは標準15mm(縁付きは縁部分で18mm)のため、お部屋の一部分に敷く場合は端に段差ができます。人がよく通る動線を端が横切らないように配置すると安心です。段差を調整したい場合は、お問い合わせください。

Q. 親の部屋の一部分に、ぴったり合わせて敷けますか?

A. はい。国枝の置き畳は全商品mm単位でサイズオーダーができ、サイズ変更の料金は無料です。柱や出っ張りに合わせたL字加工にも対応しています。サイズオーダー品は、ご注文確定後10日程度で発送します。

Q. 部屋全体に置き畳を敷き詰めることはできますか?

A. はい、お部屋全体への敷き詰めも承っています。お部屋の寸法をお知らせください。畳の枚数や割り付け図を作成してご提案します。

Q. 滑りにくさやお手入れのしやすさで選ぶなら、どの素材がおすすめですか?

A. 樹脂表がおすすめです。適度な凹凸があって滑りにくく、水拭きや中性洗剤で汚れを落とせます。イ草の香りや湿度調節を楽しみたい場合は、天然イ草表も選べます。

まとめ

高齢社会となった日本で、親が安心して暮らせる住環境をつくることは、ご家族にとって大切なテーマです。畳は、滑りにくさ、転んだときの衝撃をやわらげる安全性、足元の温かさ、そして心の落ち着きを備えた床材です。置き畳なら、和室のないお住まいでも、フローリングの上に置くだけで取り入れられます。

国枝の置き畳は、全商品mm単位のサイズオーダーが無料です。親御さんの寝室の布団まわりや、居間のくつろぎスペースなど、置きたいスペースにぴったり合わせて製作できるので、すき間の少ない床をつくりやすくなります。採寸から届くまでの流れは、置き畳のサイズオーダー体験でご紹介しています。お部屋全体に敷き詰めたい場合は、お部屋の寸法をお知らせください。畳の枚数や割り付け図を作成してご提案します。

「親が安心して過ごせる畳のスペースをつくりたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた会社:株式会社国枝

岐阜県揖斐郡大野町に畳専用工場を構える畳メーカーです。置き畳・ユニット畳の製造販売を行っています。

  • 年間およそ36,000枚の畳を製作
  • 国家資格の1級畳製作技能士が6名在籍
  • 北海道から宮古島まで、全国の畳店の約10%と取引

特殊な形の畳づくりにも対応し、業界では「畳屋さんの駆け込み寺」と呼ばれています。会社について